クルーグマンのSubstack記事が面白かったので簡単に紹介。主題は、アメリカの製造業の凋落はレーガン時代に始まったよ、というのとトランプ政権下におけるドル高・インフレ懸念。
元記事⬇️ https://paulkrugman.substack.com/p/the-dollar-and-the-trade-deficit
とりあえず驚いたのが、クルーグマンがレーガン政権化で働いていたという事実。当時の中道共和党員が、党派にかかわらず優秀な若手経済学者を集めたらしい。へー。
“For those who don’t know this, yes, I worked in the Reagan administration. It was a nonpolitical, technocratic position; Marty, an old-fashioned moderate Republican, wanted some of his favorite whiz-kids working for him, and he didn’t care that most of us were Democrats.”
ということで、クルーグマンはレーガンの経済政策の内情にも通じていたらしい。そして、当時はドルが強すぎて、その影響でアメリカの製造業の輸出がどんどん弱くなっていたため、このままだと貿易赤字が大変なことになるぞ、と警告したと。だが実質的な対策は行われず、結局貿易赤字は拡大する結果になった。
そして、実のところアメリカの製造業の「空洞化」はこのレーガン政権下における貿易赤字の増大から始まったんだぞ、と。最近よく耳にする「ラストベルト」という言葉が使われはじめたのもこの時期。ほーう。
“And the trade deficits of the 80s also arguably marked the point at which the hollowing out of U.S. manufacturing really got going. To be honest, it’s hard to find a break in the trend when looking at jobs data, but there was a very distinct break in perceptions: according to Google Ngrams, the Reagan era was when people began referring to the industrial Midwest as the Rust Belt:”
じゃあ、なぜドルはそこまで強くなってしまったのか?クルーグマンは以下の2点を原因として挙げる。
- 軍事系支出の拡大をすると同時に減税を行い、予算を赤字状態にしてしまった
- そして、財政赤字によるインフレ圧力を抑えるために、連邦準備制度が税率を上げたこと
そして、税率が上がったことでドル高を招いた。
そして、このレーガン政権時代と類似のシナリオがトランプ政権下でも起こるんじゃない?というのが本題。理由は、
- トランプは減税を続けたい。さらに追加で減税したい。
(DOGEはコストカットして支出を減らすとか言ってるけど誰も信じてないよ、と)
- 軍事支出を拡大するのかどうかはわからない。でもmass deportationとかやるなら大幅な支出拡大になるよね
- このあたりが起こると連邦準備制度は利率を高くしておくよね
というあたり。で、もし本当にFRBが利率を下げなかったら、トランプは無理やりにでも下げさせるんじゃない?でもそしたらインフレはさらに加速するんじゃない?と。さらに詳しくは本文をどうぞ。
