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クルーグマン「アメリカ製造業の凋落はレーガン時代に始まった。トランプ政権下でも繰り返すかも」

Posted on:January 5, 2025 at 12:00 AM

krugman-dollar-trade-deficit クルーグマンのSubstack記事が面白かったので簡単に紹介。主題は、アメリカの製造業の凋落はレーガン時代に始まったよ、というのとトランプ政権下におけるドル高・インフレ懸念。

元記事⬇️ https://paulkrugman.substack.com/p/the-dollar-and-the-trade-deficit

とりあえず驚いたのが、クルーグマンがレーガン政権化で働いていたという事実。当時の中道共和党員が、党派にかかわらず優秀な若手経済学者を集めたらしい。へー。

“For those who don’t know this, yes, I worked in the Reagan administration. It was a nonpolitical, technocratic position; Marty, an old-fashioned moderate Republican, wanted some of his favorite whiz-kids working for him, and he didn’t care that most of us were Democrats.”

ということで、クルーグマンはレーガンの経済政策の内情にも通じていたらしい。そして、当時はドルが強すぎて、その影響でアメリカの製造業の輸出がどんどん弱くなっていたため、このままだと貿易赤字が大変なことになるぞ、と警告したと。だが実質的な対策は行われず、結局貿易赤字は拡大する結果になった。

そして、実のところアメリカの製造業の「空洞化」はこのレーガン政権下における貿易赤字の増大から始まったんだぞ、と。最近よく耳にする「ラストベルト」という言葉が使われはじめたのもこの時期。ほーう。

“And the trade deficits of the 80s also arguably marked the point at which the hollowing out of U.S. manufacturing really got going. To be honest, it’s hard to find a break in the trend when looking at jobs data, but there was a very distinct break in perceptions: according to Google Ngrams, the Reagan era was when people began referring to the industrial Midwest as the Rust Belt:”

じゃあ、なぜドルはそこまで強くなってしまったのか?クルーグマンは以下の2点を原因として挙げる。

そして、税率が上がったことでドル高を招いた。

そして、このレーガン政権時代と類似のシナリオがトランプ政権下でも起こるんじゃない?というのが本題。理由は、

(DOGEはコストカットして支出を減らすとか言ってるけど誰も信じてないよ、と)

というあたり。で、もし本当にFRBが利率を下げなかったら、トランプは無理やりにでも下げさせるんじゃない?でもそしたらインフレはさらに加速するんじゃない?と。さらに詳しくは本文をどうぞ。

The Dollar and the Trade Deficit
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The Dollar and the Trade Deficit favicon https://paulkrugman.substack.com/p/the-dollar-and-the-trade-deficit
The Dollar and the Trade Deficit